フィラリア予防

毎月1回はしっかりフィラリア予防

蚊の発生から1ヶ月遅れで予防薬を与え始め、蚊の終息から1ヶ月遅れで予防薬を与える必要があります。

犬フィラリア症とは?

犬フィラリア症は、体内に感染幼虫をもつ蚊にさされることによって感染する寄生虫病です。フィラリアが心臓や肺の血管に寄生し、循環障害により全身に様々な障害をもたらす恐ろしい病気です。予防をしなかったり、指示通りに投薬しなかった場合に、フィラリア症で苦しんだり死亡する場合もあります。

また、猫に関してはまだまだ認識されていないようですが、猫もフィラリア症になります。犬と比べて感染率は低いのですが、発症すると死亡率は犬よりも高いと言われています。ですから、猫もフィラリア予防が必要なのです。

フィラリア予防とは?

予防薬は、蚊にさされて体内に入ったフィラリア幼虫を駆除することでフィラリア症を予防します。ですから、蚊の発生から1ヶ月遅れで予防薬を与え始め、蚊の終息から1ヶ月遅れで予防薬を与える必要があるのです。特に注意したいのが、最後の投薬です。それまで継続して予防薬を与えていても最後の投薬時期が適切でないと、フィラリア幼虫が駆除されずに心臓や肺動脈に到達・寄生してしまうからです。

投薬開始は、蚊が出始めてから約1ヶ月後なので、ゴールデンウィーク中には予防を開始したいですね。投薬終了は、蚊を見かけなくなってから約1ヶ月後なので、12月上旬までしっかり予防しなければいけません。

フィラリア予防のしくみ【愛犬の場合】

期間 予防方法 概要
3月 体重測定
血液検査
愛犬を苦しみから守るには予防が最善の方法。
4月
5月 投薬(駆除) 最初の投薬。
6月 投薬(駆除) フィラリア予防薬は段階で駆除することでフィラリア症を予防。
もし、蚊に刺されて体内に入ってしまったフィラリアの幼虫も予防薬で駆除可能。
7月 投薬(駆除)
8月 投薬(駆除)
9月 投薬(駆除)
10月 投薬(駆除)
11月 投薬(駆除)
12月 投薬(駆除) 最後の投薬がとても大切。蚊を見なくなった日から約1ヵ月後に投薬、今期終了。

予防薬の種類

予防薬の剤型は様々ですが、いずれも1ヶ月に1回投薬します。投薬期間は下記のとおりです。しっかり予防するために、犬の好んで食べる剤型や飼い主様が与えやすい剤型をお選び下さい。また、消化管内線虫を一緒に駆除できるもの、ノミやダニを一緒に駆除できるものなどもありますので、獣医師にご相談下さい。

フィラリア予防薬は、体重に見合った薬用量のフィラリア予防薬を処方します。予防薬は1ヶ月に1回、お家で与えてもらいます。成犬は体重の変化がそんなにないので予防薬はまとめてお渡しすることができます。

ただし、子犬はどんどん大きくなりますので、毎月体重測定する必要があります。体重が増えると薬用量も増えます。体重に見合った薬用量で投薬しないと予防できない可能性があります。子犬の場合も投薬はお家で与えてもらいます。

正しくフィラリア予防できない理由

1. フィラリア症の怖さを軽く考えている

フィラリアは蚊が媒介する代表的な犬の寄生虫。糸状のフィラリアが心臓や肺の血管に寄生することで、身体の様々な障害を引き起こします。愛犬愛猫への負担も大きく、放置すると死に至る場合があります。

2. 涼しくなっても予防は必要

犬がフィラリアに感染する期間は、蚊の活動期間と重なります。しかし、予防期間は、それと同じではなく、感染開始一ヶ月後から感染終了一ヶ月後まで。予防薬は体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除し、成虫にさせないことでフィラリア症を予防してくれます。

3. 途中でフィラリア予防薬の投薬を忘れてしまった

予防の途中で投薬を忘れてしまうと、フィラリアに感染する可能性が高くなり、それまで投与していたお薬が無駄になってしまうかも知れません。投薬を忘れた場合は、自分で判断せず、獣医師に相談しましょう。

4. 最後のフィラリア予防薬の投薬をしなかった

最後の投薬をしないと、フィラリアに感染する可能性が高くなり、それまで投与していたお薬が無駄になってしまうこともあります。夏が終わり、涼しくなっても自己判断で投薬をやめてはいけません。指示通り最後まで投薬を続けましょう。もし、最後の投薬を忘れた場合は、かならず獣医師に相談しましょう。

12月まで毎月1回しっかりフィラリア予防しましょう!

大切な家族の一員であるワンちゃん、猫ちゃんのために、毎年春先に血液検査をして、毎月1回しっかり予防しましょう。特に最後の投薬を忘れないように・・・

フィラリア症は今や100%予防できる病気ですから、予防を怠り、もしフィラリア症になったとしたら、それは飼い主様の責任です。愛情をもってフィラリア予防しましょう!

フィラリアに感染してしまったら

フィラリア症は、感染してすぐに症状が現れるわけではありません。感染しているフィラリアの成長と数、あるいは犬自身の年齢や体力などによって、数ヶ月後( ~ 数年後)に症状が出てきます。すぐにはフィラリア症と気づかない場合もあるかもしれませんね。しかし、放っておくと死に至る恐ろしい病気です。

  • 元気がない
  • お腹が膨らんできた(腹水の貯留)
  • 食欲がない
  • 痩せてきた
  • 呼吸が苦しそう
  • 咳がでる
  • あまり歩きたがらない
  • 尿が赤い
  • 貧血 など
※猫の場合は犬よりも感染率が低いものの、症状が現れたときには重症で、死に至る場合が多い傾向にあります。

フィラリア症の治療

治療は長期に渡ることがほとんどで、ワンちゃん・猫ちゃんの体への負担・苦痛を伴う上に、飼い主様の経済的負担も大きくなってしまいます。

治療方法 かならず、獣医師に相談しよう!
血液検査
薬による駆除 現れている症状に対する治療(対象療法)。
成虫の寿命を待つ それ以上に、体内のフィラリアを増やさないために予防薬の長期投与を行ない、
フィラリア成虫の寿命を待つ方法で治療。
手術による駆除 フィラリア症の急性型(後大静脈症候群)で緊急を要する場合には、
血管に詰まってしまったフィラリア成虫を取り出す手術。